LPS(リポポリサッカライド)は、土や野菜などに存在している細菌の成分です。LPSには面積細胞を活性化させる働きがあり、健康的な身体作りをサポートしてくれる役割があります。
さらにLPSには美肌に導いてくれる効果も期待できるのですが、それは一体なぜなのでしょうか?また、具体的にはどのような美容効果を期待できるのでしょうか。
今回はLPSと美容の関係や期待できる美容効果、LPSのおすすめの取り入れ方について解説していきます。
なぜLPSは美容に良い効果を与えるの?
みなさんも良く耳することが多い「免疫」。免疫は風邪や病原菌などと戦ってくれるものとのイメージをお持ちの方が多いでしょうが、実はそれ以外にも役割があります。
免疫には細胞の生まれ変わりや老廃物の除去、傷ついた肌を治す役割もあるのです。つまり、肌の健康や美しさを維持しているものとも言えます。
一方、LPSは肌の免疫に働きかける作用がある成分です。免疫に働きかけるということは、肌の健康や美しさを維持するサポートができるということになります。
ただし、LPSは細胞の数が多い角質層までは届きません。しかし、肌の表面にある「ケラチノサイト(表皮細胞)」や、炎症を抑える「制御性T細胞」はLPSに反応します。
さらに肌にとっての外敵を排除する「ランゲルハンス細胞」もLPSに反応するため、LPS自身は角質層まで届かなくても、美容に良い影響を与えられるということです。
LPSに期待できる5つの美容効果!
では次に、LPSに期待できる5つの美容効果について説明しましょう。
肌のターンオーバーを整える
肌には生まれ変わりのサイクルである「ターンオーバー」というサイクルがあります。この肌のターンオーバーによって、肌は整えられているのです。
LPSには免疫細胞を活性化させる作用があります。免疫細胞が活性化すると新陳代謝が活発になり、その結果ターンオーバーが促進されるため、肌が整った状態をキープしやすくなるでしょう。
肌のバリア機能や保湿力を高める
肌に存在している「フィラグリン」と呼ばれるタンパク質は、水分を保持する役割があります。フィラグリンが少ないと角質層が乾燥してしまい、その結果バリア機能が低下して肌トラブルが起こりやすくなってしまいます。
LPSがケラチノサイトを刺激すると、フィラグリンの発生が高まるため、肌は水分を保持しやすくなるのです。さらに、フィラグリンは代謝されるとアミノ酸になり、アミノ酸はその後、天然の保湿剤「NMF(ナチュラルもイスチャリングファクター)になります。
その結果、LPSは水分を保持する力・肌のバリア機能を高め、肌に潤いも与えられる成分であると言えるのです。
ヒアルロン酸などを増加させる
LPSは肌にハリや弾力を与えるヒアルロン酸やエラスチンの生成を促進させる作用もあります。ヒアルロン酸やエラスチンは、真皮を形成している「繊維芽細胞」で作られる細胞です。
しかし、加齢とともに真皮は痩せてしまうため、表皮芽細胞も少なくなります。表皮芽細胞が減れば、ハリや弾力も失われてしまうのです。そのため、ハリ、弾力を高めるには、線維芽細胞を増やして活発化させる必要があります。
LPSがケラチノサイトを刺激すると、細胞を活性化させる信号を真皮に与えることが可能です。その結果、線維芽細胞が増え、ヒアルロン酸やエラスチンも盛んに作られようになり、肌のハリや弾力のアップに繋がります。
肌荒れ・アレルギー症状の改善をサポートしてくれる
LPSには炎症を抑制したり、一酸化窒素を作ったりすること肌荒れの改善をサポートします。と言われてもいまいちピンと来ない方もいらっしゃるはずですので、一体どのような仕組みなのか解説しましょう。
LPSは炎症を抑える役割を持つ「制御性T細胞」を活性化させ、さらに炎症を引き起こす原因になる「活性酸素」の量も減らします。加えて炎症部分で大量に作られる「炎症性ケモカイン」もLPSによって分泌が低下するため、炎症を抑制させられるというわけです。炎症性ケモカインはアレルギーを悪化させる働きもあるため、LPSはアレルギー症状に悩む方にも良い効果を与えるでしょう。
そしてLPSがケラチノサイトを刺激すると一酸化窒素が作られます。この一酸化窒素は紫外線による細胞死や接触性過敏症の抑制、ターンオーバーの促進、創傷治癒の促進などの役割を持っているため、肌荒れの改善が期待できるというわけです。
発毛・育毛にも良い効果を与える
毛乳頭の周りにある細胞「毛乳頭細胞」が増えると、毛は太く成長すると言われています。LPSは毛乳頭細胞を活性化させ、さらに血流も改善させられるため、発毛・育毛にも良い効果を与えられる点が魅力的です。
美容のためにLPSを取り入れるにはどうすればいい?
LPSは微生物の多い環境で育った食品に多く含まれています。
たとえば、
- 穀類
- 野菜類
- 根菜
- 海藻類
- キノコ類
などに多く含まれているため、野菜メインの食事にすれば自然にLPSを摂取できるでしょう。
LPSは野菜の皮の部分にも多いため、できれば皮付きのままで食べてください。皮付きのまま食べる際は土などの汚れをしっかり落としてからにしましょう。また、穀類の皮や胚芽部分にもLPSが多いので、玄米など未精製のものを選ぶこともポイントです。
ただしLPSは高温の熱で壊れるとの性質を持っています。そのため、食べるときは生のままか軽く火を通す程度にしておきましょう。長く水に浸けてしまうのも、LPSが水に溶け出してしまうのでNGです。
その他、LPS配合の化粧品の使用もおすすめ。LPSを身体の内側と外側から摂取するようにすると、より早く美肌を手に入れられるでしょう。