免疫力を高めるために、毎日運動を行っている方は多いでしょう。免疫力を高めて健康的な体を手に入れるために、運動は欠かせないものです。
しかし、運動すればするほど、免疫力はどんどんアップするというわけではありません。激しく運動しすぎてしまうと、逆に免疫力を下げてしまう可能性があるため、注意が必要です。
では適度な運動とは一体どの程度のことを指すのでしょうか?
「運動すると免疫力が上がる」は正しい
運動すると免疫力がアップするということは、なんとなく理解はしていても、本当にそうなのか確証が得られていない方もいらっしゃるでしょう。
ではここで、運動が免疫力を上げる仕組みを説明します。自分にとって適度な運動を継続すると、マクロファージやリンパ球などの細胞が活性化するのですが、これらの細胞は細胞内の細菌を処理する役割を持っているのです。
さらに病原体が侵入する粘膜部分では、適度な運動によって病原体の侵入を防ぐIgA抗体の数が増えます。この2つの作用により、適度な運動は免疫力の向上に繋がると言えるのです。
「免疫力のアップ=激しい運動」ではない
もしあなたが免疫力のアップのために、毎日長い時間運動をしていたり、息が上がるほど激しい運動をしていたりするのなら、もしかすると免疫力を下げているかもしれません。
適度な運動は免疫力を上げますが、実は激しい運動は反対に免疫力を下げてしまうのです。たとえば、1時間を超える持久性運動や心拍数が150を超える運動は、免疫力を低下させる恐れがあると言われています。
なぜなら、激しい運動を行う際に過剰分泌させるコルチゾールやカテコールアミンなどのストレスホルモンは、免疫力を抑制させるからです。
クタクタになるまで運動したり、マラソンをしたりしたあとに風邪を引いた経験がある方は少なくないでしょう。実はそれは、激しい運動によって免疫力が低下したことが原因なのです。
運動は「ややきつい」程度が免疫力アップに効果的
では一体、どの程度運動するのが適度、つまり効果的なのでしょうか。
答えは「ややきつい」と感じる程度です。たとえば、息がゼエゼエと上がってしまう手前、心拍数が50~60%程度でキープできるくらいが適度な運動と言えます。
とはいえ、時には息が上がってしまうほど激しく体を動かしてしまうこともあるでしょう。そのような場合は、睡眠をしっかりとり、栄養バランスのとれた食事を心がけることで、疲労を溜めにくくなり、免疫力の低下を防げます。
有酸素運動+筋トレが効率良く免疫力を上げられる
「過度な運動は免疫力が下がるから」と言って、全く運動をしないのは言うまでもなくおすすめできません。
運動不足は運動による免疫力アップの恩恵を受けられないどころか、肥満になるとサイトカインと呼ばれる免疫反応を抑制する物質の分泌が促進されます。つまり、肥満は免疫力低下につながるということです。
では具体的にどのような運動を行えば、免疫力を高めることができ、さらには肥満も防げるのでしょうか。
おすすめは有酸素運動と自宅での筋トレを組み合わせたトレーニングです。有酸素運動は脂肪を燃焼させるため、肥満を防止できます。有酸素運動はウォーキングやサイクリング、水泳などがおすすめです。
筋トレによってアミノ酸を増やすと、免疫機能に良い影響を与えるため、免疫力アップにつながります。自宅での筋トレであれば、ジムよりも過度な運動になりにくいため、適度に体を動かせるでしょう。
免疫力アップを目指すなら、激しい運動を控えて肥満を防ぎ、適度な運動を毎日続けていくことがポイントです。健康に良いとされている運動も、やりすぎは体に毒、ということを覚えておきましょう。